皆さんこんにちは！
株式会社モンド設計、更新担当の中西です。
いつも「建築工事雑学講座」をお読みいただき、ありがとうございます。
目次
シリーズ5：建築工事の主要な施工プロセス
前回は「施工準備と基礎工事」を解説しました。
今回は、以下６つのステップをさらに深掘りし、各工程で押さえるべきポイントや現場での注意点を詳しくご紹介します。
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躯体工事（鉄骨・RC・木造）
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屋根・外装工事
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建具・サッシ工事
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設備配管・配線工事
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内装仕上げ工事
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完成検査・引き渡し準備
1. 躯体工事（くたいこうじ）
鉄骨造
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部材検査：納入されたH形鋼やチャンネル材が図面通りの寸法・材質かを確認。
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溶接品質：溶接ビードの幅・深さ、ヒュームの有無をチェックし、非破壊検査（超音波探傷試験など）を実施。
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ボルト締付：規定トルクで締め付けられているかトルクレンチで再確認し、緩み防止ワッシャーの装着も確認。
RC（鉄筋コンクリート）造
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配筋検査：鉄筋の被り厚さ（かぶり厚）、ピッチ、かぎ筋の位置を図面と照合。検査済証の取得を忘れずに。
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打設計画：コンクリート打設はポンプ車の配置、高低差、打設速度を計画。気温が高い時期は打設後の散水や養生シートで温度管理。
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打継ぎ処理：打継ぎ部にはエポキシ樹脂系接着剤を塗布し、突合せ部の仕上がりを滑らかに。
木造
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含水率管理：構造材は含水率15％以下が目安。含水率計で測定し、過乾燥・過湿を防止。
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プレカット精度：工場加工の精度を現場で再確認。接合部のガタつきがないかチェックし、必要に応じて微調整。
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耐震金物：ホールダウン金物や筋かいプレートの位置・種類を図面通りに配置し、緩み止めのナットを確実に固定。
2. 屋根・外装工事
防水・屋根工事
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ルーフィング：アスファルトルーフィングは重ね幅100mm以上、縦張り時は通気層を確保。
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シート防水：塩ビシート防水は溶接部の気泡やシワを除去。立ち上がり部はシートを立ち上げ、コーナー部はコーナー部品で補強。
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雨仕舞い：軒先、谷樋、取り合い部の納まりを図面通りに施工し、水の流れをスムーズに。
外壁工事
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下地調整：外壁材の下地合板は釘間隔を150mm以内にし、下地の反りや割れをパテで補修。
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透湿・防水シート：透湿性のあるシートを張り、重ね代は150mm以上。タッカーでピン止め後、専用テープで目張り。
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仕上げ材：サイディングの目地シーリングは2面接着とし、打ち替えは既存シーリングを完全に撤去してから新設。
3. 建具・サッシ工事
サッシ取付
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レベル出し：レーザー水平器で水平・垂直・直角を確認しながらアンカー固定。
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気密・断熱：枠周りに発泡ウレタンを充填し、外側から防水テープで目張り。内側は気密テープで気密性能を高める。
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排水計画：サッシ下部にドレン孔を設け、水がたまらないように勾配を確保。
内装建具
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吊り込み：ドア枠の墨出しを正確に行い、レベルで垂直を確認。戸当たり調整でスムーズな開閉を実現。
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調整：建物の乾燥収縮を見越し、建具のクリアランス（隙間）を適切に設定。
4. 設備配管・配線工事
給排水衛生設備
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配管ルート設計：保守点検口を確保し、配管の取り回しは最短かつメンテしやすいルートを選定。
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勾配管理：排水管は1/50～1/100の勾配を守り、清掃口を適宜設置。
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試験：水圧試験（0.75MPa程度）を15分以上実施し、漏水がないか確認。
電気・通信配線
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配線計画：幹線と分岐回路を色分けし、ケーブルラックやモールで整理。
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ラベリング：盤内・コンセント裏に配線番号を貼り、将来の改修・保守作業を容易に。
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アース接地：接地抵抗は10Ω以下を目指し、適切なアース棒設置と接続状態をチェック。
5. 内装仕上げ工事
下地調整
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パテ処理：ボード継ぎ目、ビス頭、凹凸部をパテで平滑化。研磨後、下地プライマーを塗布し密着性を向上。
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シーラー塗布：石膏ボードやモルタル下地にはシーラーを塗り、仕上げ材の吸い込みムラを防止。
仕上げ材施工
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クロス張り：糊の塗布量と貼り付け時間を厳守。ジョイント部分は重ね代10mmでカットし、ローラーで密着。
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塗装：下塗り・中塗り・上塗りを適切な乾燥時間を空けて実施。気温・湿度に合わせた塗料選定を。
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フローリング：床暖房対応材は熱膨張率を考慮し、縁に5mm程度のクリアランスを設ける。
6. 完成検査・引き渡し準備
各種検査
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躯体検査：鉄筋・コンクリート強度試験報告書、非破壊検査結果を確認。
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防水検査：散水試験や漏水試験で雨仕舞いを検証。
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設備試運転：給排水・空調・電気設備を実際に稼働させ、仕様通りの性能を発揮するか確認。
清掃・最終点検
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美装：内外装のホコリ・汚れを徹底清掃。外構や駐車場の片付けも忘れずに。
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引き渡し立ち会い：お客様とともに最終チェックリストを確認し、保証書や取扱説明書をお渡し。
まとめ
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主要プロセス：
躯体 → 屋根・外装 → 建具 → 設備 → 内装 → 完成検査 -
成功の鍵：
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各工程での厳密な品質管理
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安全管理の徹底
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次工程との綿密な連携
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ドキュメントと検査記録の一元管理
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次回シリーズ6では、「品質管理とアフターサービス」をテーマに、竣工後の定期点検・メンテナンス計画、保証制度、長期的な建物価値維持のポイントを詳しく解説します。お楽しみに！
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