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モンド設計のよもやま話~第10回~

皆さんこんにちは!

株式会社モンド設計、更新担当の中西です。

建築設計の世界では、「一人前」と言われるまでに多くの知識と経験、そして信頼関係の構築が求められます。設計は単なる図面を描く作業ではなく、法律、構造、施工、予算、さらには人間関係にまで深く関わる、総合的な職能です。

ここでは、新人から「一人前の建築設計士」として独り立ちするまでの道のりを、段階ごとに深く掘り下げていきます。


1. 学びの基礎:設計職への入口

建築学科や専門学校などで、設計理論・構造力学・法規・製図・建築史などの基礎知識を学びます。特に構造と法規は、実務に入ってからの理解の土台となるため、最も重要視されます。

新卒入社直後の姿勢

  • 「知識を覚える」こと以上に「なぜそう設計するのか」を考える力が求められる

  • メモを取り、毎回の指導を“自分の言葉”に変える意識が成長の鍵


2. 実務経験の積み重ね(アシスタント期)

先輩設計士の指導のもと、CAD図面作成・確認申請書類の準備・施主との打ち合わせ同席など、実務を支える役割を担います。

この期間の主な課題:

  • 現場で起きる“想定外”にどう対応するかを学ぶ

  • 納まりや構造に関する「実物の感覚」を身に着ける

  • 発注者・行政・施工業者など多方面とのやり取りで“設計士の現場力”を体感する


3. 初めての“自分の設計案件”|試される信頼と責任

数年の実務経験を経て、小規模案件を一通り任されるようになります。ここで初めて、設計の全工程(企画→基本設計→実施設計→監理)を通して責任を持つことになります。

よくある悩みと学び:

  • 「施主の要望に応えながら、設計としての筋を通す」難しさ

  • 設計ミスによる工期遅延やコスト超過など、ミスの重みを知る

  • 現場監理の重要性を実感し、“図面と実物”のギャップを埋める力が鍛えられる


4. 資格取得:一級建築士・二級建築士の取得

設計者としての信用と独立性を高めるために、建築士資格の取得は不可欠です。

一級建築士取得のメリット:

  • 大規模建築(商業施設・マンション・公共建築)の設計が可能

  • 設計事務所を開設できる

  • 社内でも“責任者”としての立場が明確になる

資格はあくまで通過点。「信頼される設計士」になるためのステップのひとつです。


5. “一人前”の定義とは?

一人前とは、単に図面が描ける人ではありません。

本当の“一人前”の条件:

  • クライアントの要望を正しく汲み取り、適切な解決策を提案できる

  • 構造・法規・デザイン・コストのバランスを統合的に考えられる

  • トラブルに責任を持ち、自らの判断で前に進められる

  • 周囲の信頼を得て、案件を円滑に進められる

これらが揃ってはじめて、「任せられる設計士」として信頼される存在になれるのです。


6. 継続する成長:一人前のその先へ

設計業に終わりはありません。新しい技術(BIMやAI)、法改正、社会ニーズの変化などに常にアンテナを張ることが大切です。

  • セミナーや講習会での学び直し

  • 若手育成を通じた自己成長

  • 建築の本質に立ち返り、「人の暮らしに何を届けたいか」を問い続ける姿勢


建築設計の“道のり”は、信頼を積み上げる旅

建築設計において一人前になるということは、図面や空間を作る技術以上に、「人に信頼される力」を持つということです。技術・経験・対話・失敗…それらを積み重ねて、自信と誇りを持てる“建築家”へと成長していくのです。

建築という長い道のりの先に、自分自身の作品と社会貢献がある。それを信じて、一歩ずつ、誠実に歩んでいきましょう。

詳しくはこちら!

 

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